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c o n t e n t s ]
・IPv6 Working
Group について
・IPv4の問題点
・IPv6による変革
・インターネットの基本原理
・IPv6 WGの一貫性
・IPv6 WGの実績
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| IPv6
Working Group について |
1992年頃から Internet Protocol version 4(以下IPv4)のアドレス空間の枯渇を解決するため次世代インターネット・プロトコルの検討が
InternetEngineering Task Force(IETF)で始まりました。1994年に複数のIP候補からSIPP(Simple
Internet Protocol Plus)というIPが採用され、1995年にInternet Protocol version
6 (以下IPv6)に名を変え、基本仕様が策定されました。
IPv6 Working Group(以下IPv6 WG)はIPv6環境の構築をテーマに1995年に発足しました。前述のようにIPv6の仕様は存在しており、既に先発の企業や大学などでは実験が行われていました。WIDE
プロジェクトのIPv6 WGは後発組でしたが、着手直後にIPv6のためだけに専用線を確保して実際に通信が可能かを検証しました。このような試みは、世界初でした。
相互接続性の検証が完了し、また、相互接続できることが当たり前になったことを受けて、サブプロジェクトとして KAME プロジェクトを発足させ、実装する力を
1 つに集めることになりました。IPv6 WGとKAME のメンバーは重複していますが、IPv6 WGでは斬新で技術的な議論や研究を行い、よければKAME
で実装したり、IETFの標準化団体で発表したりといったすみ分けをしています。
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| IPv4の問題点 |
IPv4の仕様が古くなったことで起こる問題は、主に以下の3点です。
1. IPアドレスの枯渇
IPv4は32ビットであるため、10進数に直すと約43億のアドレス空間となります。これは世界人口の60億よりも少ない数字ですから、インターネットが世界的な通信基盤になるには絶対量が不足しています。IETFが1994年に算出した予想によると、2008±3年頃にはアドレスが枯渇するといわれています。
2. 経路情報の急増
インターネットに接続する組織が増えると、そこに到達するための経路情報が増え、パケットの転送を担うルータにメモリの増加や経路情報の検索速度の低下といった重荷を課すことになります。これは、容量の少ないルータにとっては破綻しかねない大問題となります。
3. End-to-end 通信の破壊
アドレスの枯渇問題を緩和するために導入されたNetwork Address Translator(以下NAT)により、インターネットの基本原理である
end-to-end 通信が破壊されています。このため、新たなアプリケーションが出現しにくくなっています。
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| IPv6による変革 |
IPv6に移行するとどう変わるのか。アドレス空間でみると、IPv4は32ビットで約43億、対してIPv6では128ビットで340澗という数字でまさに天文学的になります。IPv4のアドレス空間を1ミリに例えると、IPv6のアドレス空間は銀河系の直径の80倍となります。IPv6ではアドレスは空気のようなものになります。IPv4
ではアドレス枯渇を心配するばかりに、技術者達は発想に制限を設けていました。しかし、IPv6 ではすべての機器がアドレスを持ち、自由に通信することが可能になります。このような環境が実現できれば、どんなサービスやアプリケーションが出現するのか想像もできないほどです。
今や携帯電話のメーカーをはじめ、自動車や家電メーカーまでもがIPv6の動向に注目しています。なぜならば、近い将来これらの機器もインターネットに接続されると予想され、本質的にグローバル・アドレスが必要になるためです。現状のNATを設置した環境下では、この問題の根本的な解決はできません。
IPv4では、アドレスの付け替えが困難だったため、組織とプロバイダーの間に強い束縛がありましたが、IPv6ではアドレスの自動設定の機能があらかじめそなわっているため、プロバイダの変更も容易になることから、ユーザにとっての利益向上も期待できます。さらに、IPv6がこれから普及するプロトコルであることから、IPsecや経路情報の集約など様々な技術を必須とすることができます。
IPv4よりもアドレス空間の広い IPv6を普及させ、end-to-end通信や双方向性といったインターネットの基本原理をとりもどすことが、IPv6
WG の願いです。
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| インターネットの基本原理 |
本来、インターネットの基本原理は、「end-to-end通信」と「双方向性」です。末端のコンピュータ同士が主役となって通信でき、途中のルータは通信の内容に関与しないことを意味しています。
アドレスの枯渇問題を緩和する技術として登場したNAT はこの基本原理を破壊しています。もともと、IPV4 アドレスはインターネット上で一意であると定義されていましたが、組織内で使うアドレスは、他の組織内のアドレスと同じで良いという拡張がなされました。これがプライベート・アドレスです。
組織内のプライベート・アドレスをインターネット上のグローバル・アドレスに変換することでインターネットとの接続を可能にできます。このアドレス変換装置がNATです。脇役であるはずの中間装置が、通信の内容を書き換えてしまうという状況になっています。
NAT の欠点はいくつもあります。NAT は通信状況を管理していますが、これを複数の NAT で共有することが困難なので、組織の出口
1つに制約されてしまいます。このため、一点障害に陥ります。
通信内容中に IPv4 アドレスが格納されているプロトコルでは、NATが通信内容を監視して書き換える必要がありますが、プロトコルによっては利用できないものも出かねません。将来いかに優れたアプリケーションを開発しても、中間にあるNATが対応しなければ無意味なものになってしまいます。また、IPsecと相性が悪いことも知られています。
プライベートアドレスは一意ではありませんから、インターネットからプライベートアドレスを使ってある組織ないのあるコンピュータを指定することはできません。つまり
NATを設置すると、組織内から外向きには通信を開始できますが、内向きには通信を開始できません。双方向通信を破壊して、通信を一方向にしてしまいます。
IPv6の基盤が整い、インターネットの基本原理が復活すれば、末端のユーザが自由にサービスやアプリケーションを発想できるようになります。
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| IPv6
WGの一貫性 |
実装に特化したKAME以外にも、IPv6 WG では、様々なグループとの連携を通して、次代の社会生活まで視野に入れた活動に取り組んでいます。WIDEの中で仕様を作り、IETF
で標準化し、それを実装して動くことを検証する、といった様にIPv6 WGがモデルを作り、KAMEが実装し、メーカーがルーターを製品化して世の中に出したり、プロバイダのサービスとしてリリースするところまで行う。こうした統合的なシステムを持つユニークなグループは世界中でもWIDEプロジェクトのIPv6
WGだけでしょう。
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| IPv6
WGの実績 |
インターネットはアメリカの技術で、日本は真似であるという誤解があると思います。少なくとも IPv6に関しては我々が率先しており、研究からシステム開発まで日本が誇れる技術です。関連組織や世界の関連方式と連携をとりながら、N+I2000や
INET2000 での IPv6 ShowCase などのイベントを行なうなど、普及活動を進める努力をしています。
IPv6に対する周囲の反応が、昨年までの向い風状態から一転して追い風となり、数多くメディアに取り上げられたことで「IPv6に移行するとインターネットの制約が取り除かれる」と理解した人が増えてきました。彼らの期待を裏切らなためにも、今後の活動を今まで以上に活発にしていきます。
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